小説35 菅谷6

すごい!!!すごい!!すごい!!
私は自分の部屋のベッドの上で、今日起こった出来事を思い返しながら、興奮していた。
ダンシング部に入ってくれる人がいたよ!!それもいっぺんに5人も!!いやぁ〜、こんなことってあるんだねぇ。えっと、こういうのって、なんて言ったかな?棚からぼた餅だったっけ?それとも信じるものは救われる?・・・なんか違うような気もするけど、まあいいや。とにかく嬉しい!!
私は上機嫌で、ベッドの上をゴロゴロと転がる。勢いあまって、落ちそうにもなったが、ギリギリ持ちこたえる。
でも浮かれてばかりもいられないよね。
私はそう思いながら、部屋の壁に掛けられているカレンダーを見る。今日の日付が5月15日。そして学園祭は丁度1ヵ月後の6月15日に予定されている。
後1ヶ月・・・、か。
私はそう思いながら、目を閉じた。その日、私は夢を見た。というか最近毎日、夢を見る。それも同じ内容の夢だ。その夢の内容は、ぼんやりとした人影が私の名前を呼び続ける、というものだ。よく聞いてみると名前を呼んだ後に何かを言っているようだけど、でもその部分はいつも聞き取れない。私はその人影を目を凝らして見るんだけど、結局誰なのかはわからないまま目が覚めるのだ。
う〜ん、なんなんだろ?もしかして私、おばけにでもとり憑かれてる?
「・・・ないない。私、霊感ゼロだし」
私はそう呟きながら、時計を見る。今日は久しぶりに寝坊しなかった。部屋のカーテンを開けて、大きく伸びをする。
「いよっし!!頑張るぞ〜!!」
私はそう気合を入れてから、身支度にとりかかった。