2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小説18 清水3

授業中、私は昨日の放課後のことを思い出していた。始めはぎこちなかったけど、私がタバコを吸うのを見て、なにやら私の吸い方が映画俳優とそっくりだとかで、夏焼さんが大笑いしたのをきっかけに、私たちは徐々に打ち解けていった。夏焼さんはみんなから怖…

小説17 須藤3

私は今日もいつものように、一番乗りで教室に来て、自分の席に座り、本を読んでいた。でも別に学校が好きだから早く来ているわけではない。むしろ学校は嫌いだ。理由は人が多いから。昔から人の多いところは苦手だ。でも今は教室には私しかいないから、とて…

2ほげ

僕は君の事を あんまり知らない 僕は君の事を 別に好きじゃない そんな僕が君のことを思って歌うなんて 馬鹿らしい 馬鹿らしいことだ・・・ 君は僕の大好きな人の、憧れで 君は僕の大好きな人の、目標で 君は僕の大好きな人の、ただ大好きで たぶん僕とおん…

小説16 嗣永3

「・・・なに、あれ?」 朝、学校に来ると校門前で『すがさこ』が妙なことをやっていた。生徒一人一人に「部活やりませんかー」と言っている。私が通りかかった時も、同じ言葉をかけた後、気づいたように「あっ、同じクラスの子だよね?」と、言ってきた。 足…

小説15 徳永3

「ふぁ〜ぁ・・・」 眠たいなぁ・・・ 私はいつもどおりの通学路を、あくびしつつ歩いていた。角を曲がって後数十メートルも歩けば校門にたどり着く。 ああ、今日も地獄のような一日が始まるのか・・・。まあ眠ればすぐか・・・。 私はあくびをもう一つしな…

小説14 菅谷3

「やばいやばいやばいやばいーーーっ!!」 私は二日連続で朝寝坊をしてしまった。 昨日遅くまでやることがあって起きてたからなぁ・・・。 「もうっ、お母さーん!!ちゃんと起こしてよー!!」 私は自分の部屋から大声でそう叫んだ。しかし返事は無い。ただの屍…

1ほげ

小説13 夏焼2

私は昼休みの出来事の後、屋上でずっと眠っていた。 「ふぁ〜あ・・・」 気がついたときには太陽がだいぶ傾いていた。私は立ち上がり、屋上の柵にもたれかかるようにして景色を眺める。ここからの眺めが私は好きだった。景色を眺めながらポケットに手を入れ…

小説12 清水2

時計の針は午後5時を過ぎていた。私はいつもどおり、矢口さんたちに掃除当番を押し付けられ、一人で教室の掃除をしていた。 「ふう、やっと終わった・・・。後は黒板消しをはたくだけか」 私は独り言を言ってから、表面が白や赤や黄色が混じった、なんともい…

小説11 須藤2

私は学校から帰る途中、コンビニへと立ち寄った。普段はまっすぐと家に帰るのだが、今日は毎週購読しているマンガの発売日だったからだ。 『キッド様』は今回どんな活躍をするかな〜♪ 若干ハイテンションで雑誌コーナーに置いてある、目当てのマンガを手に取…

小説10 嗣永2

放課後、私は体育館の中にいた。目的はもちろんバスケット部の吉澤先輩。体育館の中には同じ目的であろう女子が数人いて、吉澤先輩が何かアクションを起こすたびに、キャーキャーと黄色い声を上げている。 ・・・よく恥ずかしげも無く、そんなことができるも…

小説9 徳永2

だぁ〜、やっと終わった〜〜〜。 6時間目のチャイムが鳴ると同時に、私は座ったまま、机に倒れこむように体を投げ出して目を閉じた。 はぁ・・・、授業ってなんでこんなに長いんだろ。ホント疲れるよ。ゆとり教育なんて大人はいうけど、全然そんなこと無いよ…

小説8 菅谷2

うぅ、お腹すいたなぁ・・・。 私はそう思いながら、自分のお腹をさする。今、授業は6時間目の終わりにさしかかっている。なんでこんなにお腹が減っているのか?答えはとっても簡単。私はお昼ご飯を食べ損ねたからだ。緊張の自己紹介が終わって気が抜けたのか…

小説7 熊井1

やはり足りないな・・・。 私は約30秒ほどで完食してしまった焼きそばパンのビニール袋を見つめながら、フウッと小さくため息をついた。周りには数人の仲間がペラペラと喋りながら食事をしている。人間、口は一つしかないのに、よくもまあ器用に出来るものだ…

小説6 夏焼1

「あーかったるい。なんかイライラするし」 私はそんな風にぼやきながら、学校まで後50メートルほどの道をブラブラと歩く。携帯で時刻を見ると、すでに12時を大きく過ぎていた。 大遅刻ってやつだ。でもそんなのは関係ない。これは私にとっていつものこと。…

小説5 清水1

よく寝る子だなぁ・・・。 私は隣の席に来た転入生の寝顔を盗み見るようにして、そう思った。今は4時間目の最中だけど、転入生が起きていたのは1時間目の途中までで、後は休み時間もずっと寝たままだった。 転校初日なのに・・・。ちょっと変わってるかも。…

小説4 須藤1

転入生の席は、私のすぐ前だった。 「よろしくねー」 転入生は椅子に座ると、すぐに体を後ろに向け、笑顔でそう言ってきた。私はなるべく平坦な声で 「あぁ・・・よろしく」 と返事を返し、目線を窓の外へと向けた。私は窓際の後ろから二番目という、今の席…

小説3 嗣永1

がっかりだわ・・・。 私はHRが終わり、窓際の席に座った転入生を横目で見ながら、そう感じていた。 千奈美がかわいい転校生が来るって言ってたから、ちょっとだけ警戒してたけど・・・。あんな笑顔だけが取り柄です、って子じゃあ、私のライバルには到底な…

小説2 徳永1

「すがさこって・・・」 私は思わず声に出してしまってから、それに気づき少し慌てた。しかし周りにはその声は聞こえなかったようなので、私はホッとした。 それにしてもなんだろ、『すがさこ』って? 私はこっそりと周囲の雰囲気を伺ってみる。やっぱりみん…

小説1 菅谷1

「やばいやばいやばいやばいーーー!!」 私は自分の部屋で絶叫していた。 思いっきり寝過ごしたよー。このままじゃ遅刻しちゃうかも。 私は壁に掛かっている時計を見る。時計の針は予定を大幅に過ぎていた。 転入初日なのに、遅刻なんてありえないよ。はぁ、…